💸17歳で作ったアプリを2年足らずで月8.5億円の収益まで成長させて売却した天才ザック・ヤデガリ氏
こんにちは、ウマたんです。
このAI時代にプロダクト作ってめちゃくちゃ稼いでる海外の天才にフォーカスする、このニュースレター。
今回紹介するのは「Zach Yadegari(ザック・ヤデガリ)」氏!
AI時代に彗星のごとく現れた若手アプリ起業家としてめちゃくちゃ有名。知ってる人も多いと思う。
そんな彼については約1年半前にも、このニュースレターで取り上げた。
| 📱17歳にして月1.5億円もの収益をあげるAIアプリを作ったZach Yadegari氏 |
|
||
|
彼は2年前の2024年5月に「Cal AI」というアプリをローンチ。当時彼はまだ普通の高校に通う17歳だった。
そんな17歳が作ったアプリは大ヒット。物凄い勢いで成長し、たった6ヶ月で月1.5億円もの収益に成長したのだ。
そこからもアプリの収益は伸び続け、2025年の年間収益は3,000万ドル(約45億円)を突破。2026年1月の収益は、なんと570万ドル(8.5億円)にまで到達したという。月8.5億円は桁が違いすぎる。
ARRは、驚異の5000万ドル(75億円)を突破(※1月の8.5億円は年契約も含めての金額なので単純なMRRではない。ちなみに習慣系のアプリは年始に「頑張ろう!」と心機一転始める人多いので、1月の収益が必然的に高くなる)。
さて、そんなこんなで怒涛の勢いで成長し続けていたそんな矢先に、衝撃的なニュースが飛び込んできた。ザック氏は、競合であり最大手であった「MyFitnessPal」という会社に「Cal AI」を売却したのだ!!👇️
Cal AI has been acquired by MyFitnessPal 🚨
![]()
@zach_yadegari
Henry and I started Cal AI as 17-year old high school students with one mission: make calorie tracking easier with AI.
In just 18 months, we’ve helped millions of people lose millions of pounds. And we broke $50m in ARR along the way.…— Zach Yadegari (@zach_yadegari) March 2, 2026
「MyFitnessPal」は、ザック氏自身もよく引き合いに出していた超大手のアプリ。そんな巨人を猛烈な勢いで追っていた「Cal AI」が、その巨人自体に買収されたのは衝撃だった。
個人的にはザック氏にはプロダクトを売却するのではなく、今後も伸ばし続けてもっと夢を見せて欲しかったなーと思う反面、これでよかった気もする。
この後、実際に彼がどのようにアプリをここまで伸ばしてきたか解説していくが、正直ほとんどのパイを取りきって事業としての成長限界を迎えていたのだと思う。
ザック氏は、この後は別の事業を作ってユニコーン(※ちなみにARR75億円は時代がよければ時価総額1000億円超えるレベル)を目指すらしい。
さて、そんなこんなで世界をあっと言わせた若手アプリ起業家の成長ストーリーがここで一旦区切りがついたので、このニュースレターで取り上げないわけにはいかない。
今回は、このAI時代の個人開発ストーリーとして(最終的には30人くらいのチームになっていたらしいので個人開発と言い切るのは怪しいが)で最も大きな成功事例とも言える「ザック・ヤデガリ氏」と「Cal AI」の変遷について徹底的にリサーチした。
改めて、17歳の高校生がChatGPTなどのAIラッパーアプリを作って自己資金だけで2年以内にARR75億円突破してるのヤバすぎない!?
ということで、ここからは彼がどうやって「Cal AI」はここまでスケールさせてきたのか?を徹底解剖していく。
それでは見ていこう!
| 購読中 |
※このニュースレターに無料購読いただくと海外の成功事例をまとめたスプレッドシートが届きます!
👨💻7歳からプログラミングを始めて16歳でプロダクトを10万ドルで売却した天才
まず軽くザック氏が「Cal AI」をローンチする前にどんなヤツだったのか、振り返っておきたい。
このニュースレターで紹介してきた成功してる開発者は、最初はなかなか上手くいかなくてくすぶってる人が多かったが、ザック氏は最初から天才。
なんと、彼がプログラミングを始めたのは7歳のとき。最初は趣味だったが、学びたい人向けの需要に気づき、10歳でプログラミングを教える仕事を始めた。報酬は1時間30ドルで、当時としてはかなりの収入だったという。
しかし、教えるビジネスは「自分の時間を切り売りするモデル」であり、このままでは経済的自由を得られないと気づく。
そんな中、Facebookの創業ストーリーをまとめた映画『ソーシャル・ネットワーク』を見たことがきっかけで、「自分もプロダクトを作って収益を得たい」と考え、プロダクト作りにのめり込むようになるのだ。
そして、12歳で初めてApp Storeにゲームを公開。
13歳のときにはWebサービスで収益化に成功。学校のネットワーク制限を回避してゲームが遊べるサイトを作り、広告収益で運営したという。
結果的にこのサービスは500万人以上のユーザーを集め、年間6万ドルを稼ぎ、16歳で10万ドルで売却する。いや、天才すぎる。
その後、toCアプリの可能性に目を向け、友人と目覚まし時計アプリを開発。
ローンチ後2週間で2万ダウンロードを達成するが、その後の成長は続かなかった。
アプリをどう成長させるか悩んだ彼は、toC向けAIアプリで既に成功していたBlake Anderson氏に相談。
話し合いの結果、Blake Anderson氏がアドバイザーで入ってくれることになった。こうして、Blake Anderson氏の指導のもと誕生したのが「Cal AI」なのだ。
💻️Cal AIのプロダクトとしての完成度
それでは、toCアプリとしてARR75億円もの金額を超える「Cal AI」はどんなスゴイアプリなのか?
実は正直言って、アプリ自体はそんなにスゴくない。
そこまで複雑な機能が搭載されているわけでも、独自のデータによる最強の障壁を作り上げているわけでもない。
機能はめちゃくちゃシンプル。
食事の写真を撮って、それに基づいてAIが分析をしてカロリーやタンパク質などを算出してくれる。言ってしまえばコア機能はそれだけ。
そして、その分析自体はOpenAIの提供するGPTモデルなどのAPIでやってるだけ。この画像分析の精度がずば抜けてよいか?と言われると正直クエスチョンマーク。
以前、「Cal AI」で市販の商品を読み取って数値を算出したのだが結構ズレてた。
スキャンしたのは、セブンイレブンで買ってきたシュクメルリ(シュクメルリはジョージアの伝統料理で日本でも度々売られてるが、本場ジョージアのシュクメルリとは全然違う。ぜひジョージアに食べにきてください)。
パッケージに記載されてる「成分表示のカロリー・タンパク質・脂質・炭水化物」は以下の通り。
- カロリー:637カロリー
- タンパク質:24.9g
- 脂質:33.1g
- 炭水化物:63.4g
そして、Cal AIの結果は以下の通り。
- カロリー:451カロリー
- タンパク質:28g
- 脂質:16g
- 炭水化物:45g
だいぶ全体的に少なめに見積もられており、特に脂質がかなり少なめ。
これを見る限り、決して精度が高いとは言えない。
一方で、普通にChatGPTのWebUI上から写真をインプットして推定してもらった結果は以下の通り。
- カロリー:550カロリー
- タンパク質:22g
- 脂質:13g
- 炭水化物:50g
こちらでも脂質はかなり少なめに見積もられてしまっているが、それ以外の数値は成分表示に近くなり、こちらの方が「Cal AI」より精度がよさそう。
🌽戦略的にカロリー出力を低く出力している可能性
ちょっとエグい話になるが、もしかすると「Cal AI」では、
「あえてカロリーなどを少なめに出力する調整をしてるのかもしれない」
これは、「ユーザー心理」と「アプリ収益最大化」といった側面で冷静に考えてみると納得がいく。
アプリ運営者として大事なのは「ユーザーが満足してアプリを継続利用してくれること」。
しかし、この手のアプリでは最初に目標として「〇〇ヶ月で〇〇kg痩せる!」といったものを立てるのが普通で、本当の成果が出るまでに数ヶ月かかる。
そこまでの間にユーザーが満足感を得られるかどうかは、「ちゃんと毎日継続してスキャンしてカロリートラッキングを続けてアプリで設定された数値以下に抑えられるかどうか」にかかっている。
すなわち、「本当に痩せられるかどうか」よりも「日々ちゃんと無理なく楽しくカロリーをトラッキングできるかどうか」が、ユーザー満足度のセンターピンだったりするのだ。
そういった意味では、この「カロリーをあえて低く出力する」というのは、ユーザーがそれほど厳しい摂生をせずに無理なく続けられることに繋がるので、満足度向上に繋がるのかもしれない。
しかし、そうなると最初に立てた目標が達成できなくなるのでは?
その通りである。しかし、この手のアプリではユーザーが目標を簡単に達成できない仕様の方がLTVが高くなる。
仮に3ヶ月で10kg痩せる!という目標を立てたとしよう。もしこの目標を達成することができてしまったら、そのユーザーはその時点で解約してしまう可能性が高い。
しかし、なかなか目標を達成できない場合、「もう少し継続してみよう」と利用期間を伸ばすかもしれない。結果的にLTV向上・アプリ収益向上に繋がるのだ。
マッチングアプリの開発・データ分析をしている人が、マッチングアプリでは良い出会いを創出しすぎるとユーザーがどんどんチャーンしてしまうので、調整が難しいと話していた。
アプリ運営において、このような
「ユーザーには非合理だけど経済的には合理的な不都合な真実」
が隠されていることを忘れてはいけない。
さて、色々述べてきたが、結局言いたいのは「Cal AI」は特別な機能やデータで差別化しているわけではないということ。
とにかく「ユーザーが無理なく日々カロリートラッキングできること」を主眼においている。
実際に使ってみると分かるのだが、AIの精度は置いておいてUIUXがめちゃくちゃよく、これなら食事管理できそうだなーと思える。
また、アプリをダウンロードしてからペイウォールまでのオンボーディングフローが洗練されていてエグい。
このオンボーディングが「Cal AI」のCVRを劇的に向上させていることは間違いない。
それでは、具体的に「Cal AI」のオンボーディングフローについて見ていきたい。
📲Cal AIの洗練されたオンボーディング
最近の売れてるアプリはオンボーディングが本当に長い。
「Cal AI」のオンボーディングもご多分に漏れず長い。合計で28画面ほどある。
ダウンロードしてからペイウォールまで28画面あり、やっと28画面の入力を終えるとハードペイウォール(課金しないと使えない)が登場する。
ちなみに28画面でも十分長いと感じるが、アプリによっては60画面以上あったりする。
最近のtoCアプリの定石は、めちゃくちゃ長いオンボーディング×ハードペイウォールになってる。
では、そんな「Cal AI」が具体的にどんなスクリーンで遷移していくのか簡単に見ていきたい。
まず、健康に関するパーソナルな質問が続く👇️
そして、「Cal AI」では長期的なコミットが必要だよ、という画面が表示される👇️
そしてゴールについての質問が続く👇️
そして、多くのユーザーのレビューと共に、レビューを求める画面。
toCアプリにおいて、オンボーディングの途中でレビューを求めるのは新常識になっている。
そして、最後にユーザーの質問に基づいてカスタムプランを提示👇️
そしてペイウォールが表示されるという流れ👇️
ザックリこんな流れ。
パーソナルな質問→「Cal AI」の価値を認識させる→ゴールに関する質問をしてコミットを引き出す→ユーザーレビューで信頼性の獲得→カスタムプランを提示→ハードペイウォールでCVRを上げる
ちなみにペイウォールをキャンセルしようとすると、特別割引のオファーが表示される。マジで抜かり無い。
ここでは全てのスクリーンを紹介しきれないので、ぜひアプリをダウンロードしてチェックしてみると良いと思う。
面倒な人は、僕が作った「Onbo Hub」という色んなアプリのオンボーディングがチェックできるプラットフォームで、全スクリーンをチェックできるので見てみて欲しい👇️
ということで、「Cal AI」が圧倒的なオンボーディングフローとUIUXでCVRとLTVを上げてきたことは分かった。
しかし、いくらアプリが洗練されていても集客ができなくては売れるわけがない。
そして、彼の真骨頂はやはりマーケティング。
ここからは、彼がどのように「Cal AI」を月8.5億円の収益まで成長させてきたのかマーケティングの観点から見ていきたい。
ここまでで分かると思うが、「Cal AI」の成長は決して「いいアプリを作ったから」ではない。
ここまで述べてきた「オンボーディングの最適化」と、これから紹介する「圧倒的なマーケティング」が成長エンジン。
彼はマーケティングにおいて結構エグいことをやってる。そして、こんなの言っていいの?みたいな秘伝の内容も、アプリを売却した後のインタビューとかでガンガン喋ってる。
例えば以下のような内容。
- インフルエンサー用の裏アプリ
- 7500万円のYouTube広告
- 広告は「開始5秒で売れ」
そして何よりヤバいのが
データトラッキングの執念。
多くの起業家はここを適当にやる。だからスケールしない。
「Cal AI」が月商8.5億円まで到達したのはこのトラッキング設計があったからと言っても過言ではない。
ということで、ここから先では普通のマーケ本には書いてないようなザック氏の常識ハズレのマーケティング、そして徹底的なトラッキング設計について徹底解説していく。
ぜひ最後まで見ていって欲しい。
| ここから先は有料コンテンツです |
| |
| この続き:6413文字 / 画像0枚 |
4,300人以上の方達が購読中
いつでも購読解除可能です