海外個人開発者にフォーカスするこのニュースレター。

今回紹介するのは「Steven Cravotta(スティーブン・クラバーダ)」氏！

（出典：https://x.com/stevencravotta）

16歳の時にはじめてモバイルアプリを構築し、現在は「Puff Count」というアプリから月40kドル（600万円）の収益を得ている男「Steven Cravotta」。

彼は開発者ではないが、開発やデザインを外注しながら多くのプロダクトを作って成功を手にしている。

開発者ではないもののプロダクト作りと集客・マネタイズの参考になると思い今回取り上げた。

そんな彼にフォーカスして見ていこう！

👨‍💻16歳でプログラミングの知識もデザインの知識もない状態でアプリを開発する

彼のビジネス構築の旅は16歳からはじまった。

というモバイルアプリを構築したのだ。

しかし彼はアプリ開発の知識があったわけではなく、自分のアイデアをもとにチームを作って開発したという。

16歳の時に構築したこのモバイルアプリは長い期間、日の目を浴びることはなかった。

しかし、5年たったある日、急に日の目を浴びることになる。

なんと全く同じ名称のWordleというブラウザベースのゲームが世界中で大ヒットするのだ。

かなり有名なので知っている人も多いかもしれない。

6個以内に特定の英単語を当てる謎解きゲーム。

しかし、このゲームはブラウザベースのゲームであり、モバイルアプリは存在しなかった。

だが、そんなことはユーザーは知らない。多くのユーザーはモバイルアプリでこのゲーム「Wordle」がないかを調べて、全く関係ないStevenのアプリを見つけダウンロードしたのである。

彼のアプリはそれまで毎日1,2ダウンロードほどしかされなかった。しかしこのバイラルをきっかけに毎日4,5万ダウンロードされるようになったのだ。1週間のダウンロード数は20万を超えた。

このバイラルにより思わぬ収益が彼の元に転がり込んでくることになる。

しかし元々彼はこのアプリで収益化するつもりはなかったので収益を全てある団体に寄付することにした。

この大きなバイラルと最終的な寄付は当時メディアを騒がせた。

そして、最終的なディールは分からないが彼は最終的にこのアプリWordleを売却している。

さて、これだけ聞くとたまたま運が良く当たっただけの一発屋に見えるが、そんなことはない。

彼はそんなバイラルを経験するまでの5年間の間に、あるサービスをローンチしてしっかり伸ばしているのである。

彼はこのPuff Countから冒頭でも伝えた通り月40kドル（600万円）もの収益を得ている。

Wordleの成功だけを見ると運が良かった一発屋に見えるが、しっかりPuff Countでも収益を出しており彼のビジネスセンスは認めざるを得ない。

そんなPuff Countについて詳しく見ていこう。

彼は大学在籍時代にこのPuff Countをローンチしている。

Puff Countは電子タバコをやめるのを助けるアプリ。

電子タバコと聞くと普通のタバコよりも体によさそうに聞こえるが、欧米を中心にかなり問題視されている。

フレーバー付きで吸いやすく、値段もお手頃なことから若年層中心に流行っており、むしろ若年層をタバコ中毒に取り込んでしまう製品としてかなり社会問題になっている。

政府としてはタバコの影響を抑えるための代替製品として電子タバコを推し進めてきたが、それが逆に若年層がタバコを手にするハードルを下げることになってしまったのだ。

そんな電子タバコをやめるのを助けるのがPuff Count。

モバイルアプリの中でド定番のテーマである習慣アプリから電子タバコに絞っている。

アプリのテーマはド定番のテーマの中のニッチジャンルに絞るのがいいと彼は言う。

🎯アイデアは日々の気付きと徹底的なリサーチによってプロダクトになる

さて、まずプロダクトを作るためにはアイデアが必要である。

彼がどのように様々なアイデアからPuff Countというプロダクトを作るに至ったのか見てみよう！

まず、彼は日常生活で経験した問題を常にメモしている。

自分自身の問題を解決するアプリを作れば、少なくとも自分という一人のユーザーを獲得することができる。

では日常生活で得たインスピレーションのうち、どれを実際に具現化していくのか？

彼は、実際に思いついたアイデアには需要があるのか？参入する余地があるのか？を徹底的に調べる。

まず同様のテーマの競合アプリがあるか調べる。

そしてGoogleトレンドで需要があるか調べる。

さらにTiktokでそのテーマが流行しているか調べる。

電子タバコの場合は、競合アプリは既にあったがニッチ分野なのでそれほど強くなさそう。

Googleトレンドを見ると検索需要が伸びてきていた。

そしてTiktokを見ると電子タバコの動画がめちゃくちゃバズっているのを見つけた。

ということでこれはイケる！と確信した彼は電子タバコをやめるためのアプリを構築することにしたのだ。

なんとなく競合調査とGoogleトレンドはイメージが付くが、Tiktokをチェックするというのは新しい発想だった。

既存のマーケットに切り込むにはショート動画でのマーケティングがかなり効果的。

Tiktokでバズっているということはそこにかなりのチャンスがあるということ。

SEOや広告で戦うとなると、既存の大手企業を切り崩すのはなかなか難しいがTiktokなら可能性がある。

プロダクトを作る前にマーケティングの可能性をチェックしているのが、さすがと言わざるを得ない。

🖲️プロダクトを作るのにプログラミングのスキルなんて必要ない

さて、アイデアは決まった。次はそのアイデアを形にするフェーズ。

彼は冒頭でも伝えた通り、自分で開発するスキルを持っていない。

彼は言う「モバイルアプリを作るのに何の経験も必要ない」と。

ではどうやってアプリを構築しているのか？

まず、グーグルドキュメントを立ち上げて、競合他社をリサーチした上でアプリに欲しいアイデアや機能をすべて洗い出す。

そうすることで、良いアプリがどのようなものかを知ることができる。

徹底的にパクることからプロダクト作りは始まる。

そして、紙を持ってアプリのスケッチを始める。

そして、そのスケッチを99Designsというサイトにアップロードする。

スケッチをアップロードし、アプリの前提を説明し、機能をリストアップして、「私のアプリに命を吹き込んでください」と言う。

すると、50人、60人、時には70人以上のプロのUIデザイナーが、アプリがどのようなものであるべきか、それぞれのアイデアを提出する。

ここまででおおまかなデザインが完成する。

続いて、得られたUIをもとに開発に移る。

この時、アプリの複雑さに応じて価格を変更する。

Puff Countのようなアプリの場合、主な機能がいくつかあるだけで、5,000ドル以下で完成させることができると言う。

彼は東欧の開発者を雇うことをオススメしている。安い価格で最高の品質のコードを納品してくれるとのこと。

僕自身東欧に住んでいるが、確かに優秀なエンジニアが比較的安い価格で働いている。

開発者を選んだら、時間単位ではなく、プロジェクト完了ベースでお金を支払う。

アプリが完成し、バグもなくストアで公開されるまで支払いはしないという。

こんな感じの手順で自分でデザインをすることもなくプログラミングをすることもなくアプリを開発することに成功しているのだ。

開発者の選定に関しては、よさそうな候補者に対して15分の面接をしてアプリのアイデアをもっと持ってくるかどうか、それに興奮しているように見えるかどうかを確認して決めると言う。

やはり一緒にプロジェクトを進める相手を選ぶには情熱が大事。

📱どうやってPuff Countのユーザーを増やしたのか？

ここまででプロダクトが完成した。

あとはどうやってユーザーを集めるか。

この集客の部分は彼の得意分野。

彼は、モバイルアプリの成功の95%はマーケティングだという。

彼はTiktokでVaping（電子タバコ）を検索し、すべてのバイラル動画をスプレッドシートに保存した。

そして、フック、価値、コンテンツの撮影方法を分析しそれらに似た動画を作る。

には12万以上のフォロワーがいて、各動画が数万から数百万回再生されている。

やっぱりセンスのいい人は勘どころをおさえてますね

＞　モバイルアプリの成功の95%はマーケティング

確かに。