user【週刊】AI時代に月100万円以上稼ぐ海外個人開発者を毎週1人ピックアップして秘密を深堀り!search
✈️AIだけで3時間でゲームを作り20日で月1300万円の収益まで成長させた天才Pieter levels(ピーターレベルズ)氏
またまたこの天才の登場だ。以前も紹介したが元祖個人開発者で化け物級のプロダクトをいくつも世の中に送り出してきている天才ピーターレベルズ氏。彼がAIだけで作ったフライト・ゲームがたった20日ほどで月1300万円を超えてしまった。
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ウマたん
2025/05/26

こんにちは、ウマたんです。

このAI時代にめちゃくちゃ稼いでる海外開発者にフォーカスするこのニュースレター。

今回紹介するのは「Pieter Levels(ピーター・レベルズ)」氏!

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(引用:https://x.com/levelsio)

もうレジェンド中のレジェンドで、個人開発者と言えば真っ先に名前の挙がる人物。

彼自体はこのニュースレターでだいぶ前に取り上げたのだが、最近彼がAIだけで3時間で作ったゲームを20日間ほどで月1300万円もの収益まで成長させていたので、それについて今回は取り上げていく。

彼のこれまでのストーリーについて詳しくは以下を見てみて欲しい。


ということで、最近彼がAIだけで作ったゲームと成長戦略について深掘りして見ていこう!



✈️AIだけで3Dフライトシミュレーターゲームを作っちゃう

個人開発者として様々なプロダクトを世の中に出してきたPieter Levels氏。

ノマドワーカーのためのプラットフォームである「NomadList」からはじまり、最近はAIブームに乗っかってAI系のプロダクトである「PhotoAI」や「InteriorAI」などを作って多くの収益を生み出してきた。

彼のXアカウントには各プロダクトが現在どのくらいの収益を生み出しているかが載っているのだが、驚愕の数字であることが分かると思う。

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まずAIで特定の人の画像から風景や身なりなどを変えた人の画像を生成する「PhotoAI」で月に132kドル(2000万円ほど)も稼いでる。

そのほかにもRemoteの仕事を見つけるプラットフォーム「RemoteOK」や部屋の画像を生成する「InteriorAI」やノマドワーカー向けのプラットフォーム「NomadList」などから合計で100kドルほど(1500万円ほど)稼いでることが分かる。

そして、「levelsio.com」というサイトでは開発にまつわるキャップやバッグなどを売っていて、月に16kドル(240万円ほど)稼いでる。

そして最後に記載の「fly.pieter.com」というのが、今回掘り下げていきたいプロダクト。

AIだけを使って作った3Dフライトシミュレーターゲームで2025年2月にローンチして20日ほどで月1300万円の収益まで成長したプロダクトだ。

彼のプロダクトの中で最も早く成長したプロダクト。

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直近の収益は15kドル(220万円ほど)と少々下がってきてはいるが、それでも驚愕の収益を生み出し続けている。

なんと彼はこのゲームをAIだけで3時間で作ってしまった。

これまでに彼はゲームを作った経験はなく、今回ゲームを作るにあたって自分でコーディングはほぼしていないという。

それでもこのクオリティのゲームが作れてしまうのだ。

このゲームをプレイしたことのない人はぜひプレイしてみて欲しい。

リンクに入るとプレイヤー名を求められる。プレイヤー名を決めればすぐにゲームをプレイできる。

完全にブラウザベースで動くフライトシミュレーターゲームで、キーボードを動かしながらゲームの世界を飛び回ったり、ミサイルを撃ったりできる。

マルチプレイヤーモードであり、飛び回っている他のプレイヤーを撃墜することもできる。

昔懐かしいファミコンなどを思い出させるような画質だが、それがノスタルジーを感じさせて風情がある。

さてそれでは、彼はこのゲームをどのようにローンチし、どのようにマーケティングをし、収益をあげてきたのか具体的に見ていきたい。



🚀全ては2月22日のTweetから始まった


2025年2月22日に彼はAI駆動開発エディタ「Cursor」に"ブラウザで動作するフライトゲームを作って"と指示して、たった3時間で3Dのフライトシミュレーターゲームを作りあげてしまう👇️

元々開発者として多くのWebアプリを作ってきたとはいえ、3Dゲームとなると話は別。

そんなゲーム開発初心者でも、AIを使えばたった3時間で3Dゲームが作れてしまうのだから驚きだ。

ピーターレベルズ氏自身も、AIを使ってここまでのクオリティのゲームが3時間で作れてしまうことに驚いたという。

当時、彼は毎日のようにAIを使って高速で様々なプロダクトを作ってはローンチしてユーザーの反応を見ていた。

まさにユーザーを巻き込みながら開発するBuild In Publicを真に実践している天才である。

そして、新たに「fly.pieter.com」を2月22日にローンチ。

最初のバージョンは、ただ殺風景な土地でフライトが楽しめるモノで、バルーンもなく他人と同時オンライン接続も出来ない状態だった。

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まずは、必要最低限の機能だけ詰め込んでローンチしてユーザーの反応を見るのが彼の鉄則。

さて、最初のTweetでユーザーからの好感触を得たレベルズ氏は、このフライトシミュレーションの開発に注力し、ユーザーの要望を聞きながら様々な機能を追加していくのである。

まさにユーザーを巻き込みながら開発していく、Build In Publicの典型例である。

多くの人が「Build In Public!」と言っているが、彼ほどBuild In Publicを体現している人はいないように思える。

彼の、周りを巻き込みながら開発しプロダクトをスケールさせていく一連の流れを見ていこう!



🧑‍🤝‍🧑上手くいかないことも全てXに投稿してアテンションを得る

先ほども紹介した通り、まず彼が「fly.pieter.com」をローンチしたのが2月22日。

その後すぐに、ミサイルを付けようとAIに指示したけど倫理的な問題から拒否されてしまった・・・というTweetをしている👇️

こういう失敗もちゃんとTweetしているのがまさにBuild In Publicだし効果的。

このTweetが1000以上のイイねと81万以上のインプレッションを獲得している。

レベルズ氏は、前の自分のTweetを引用する形でTweetをどんどん連ねていくのが特徴だ。

そして最終的にClaudeではなくてGrokに指示出しをして、ミサイルを搭載👇️

これが、2000以上のイイねを獲得している。

このGrokを絡ませて開発していくのが思わぬ副次的な効果を生むことになる。

ここまでの流れをたった数時間でおこなっているのがスゴイ。

開発して、失敗して、成功して、、、という流れを全てXで公開しているのだ。

これによって多くのアテンションを得てユーザーを爆発的に増やしていく。

ここからは彼がどのような機能をどのタイミングで追加し、どのようにアテンションを獲得しながら、どのようにマネタイズをしていったか見ていきたい。

機能追加のスピード・周りを巻き込みながら開発する姿勢・マネタイズの方法、全てがマジで天才的である。


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📣Xユーザーのアドバイスを取り入れてAIに聞いてどんどん改善

さて続いて、ミサイルで撃てるバルーンや建物などを追加する👇️

いよいよちゃんとしたフライトシミュレーションゲームっぽくなってきた。

この段階ではPCだけで動く仕様だったようで、モバイルでは動かなかった。

モバイルで動くように試行錯誤する中、Xユーザーのアドバイスを元にAIに指示出しをしてちゃんとモバイルで動くように修正👇️

ちゃんとユーザーのアドバイスを取り入れて改善しているのが、スゴイ。

腕の立つエンジニアであればあるほど、上手く動かないってことをパブリックに公開するのを臆してしまうような気がするが、レベルズ氏はそんなのおかまいなし。

失敗も上手くいかないことも全てパブリックに公開して、それに対するアドバイスをちゃんと取り入れて改良する。

この姿勢が、オーディエンスからの共感や応援を生み、どんどんスケールするプロダクトにつながっているのだろう。

さらにマルチプレイヤーでのプレイを可能にした👇️

ここでも他のユーザーのアドバイスを取り入れて実現している。

この時点では、大規模同時接続はできず1:1のプレイにとどまっていたよう。

最初の開発からここまででたった8時間しか経っていないというのだから驚きだ。



👨‍💻Cursorの創業者からもX上でアドバイスをもらいながらコード修正

さて、次の日である。ここまでひたすらコードを書いてきたレベルズ氏は、「コードの行数が膨れ上がり、AIの修正にも時間がかかるし、意図しない箇所の修正によってエラーが頻繁に起きるようになってしまった」

とTweetしている👇️

これに対して反応したのが、なんとCursor創業者のMichael Truell氏。

Cursor創業者からの直々のアドバイスを受けるレベルズ氏👇️

さてそんなこんなで順調に開発を進め、続いては機体が建物にぶつかった場合にゲームオーバーになる機能を追加👇️



🛩️とうとう大人数の同時接続が可能に!

ここまでは順調に機能開発ができていたが、大人数の同時接続に相当苦労したようだ。

以下のようにどうやって実装すればよいんだろう?的なTweetをユーザーに投げかけている。

それに対するユーザーの1つのアドバイスを取り入れて同時接続を可能に!👇️

同時接続は可能になったが、なぜか機体が動かない👇️

そして、ユーザーの助けも借りながら、試行錯誤してとうとう2月25日、ちゃんと機体が飛ぶ状態での同時接続が可能になる!

ローンチからたった3日でここまで来てるのがすごい。

そしてこのTweetをなんとあのイーロン・マスクが引用するのだ👇️

イーロン・マスクのフォロワーは2億人。

イーロン・マスクのブーストにより、このTweetのイイね数は1.6万件そしてインプレッションは1300万件を超えることになる。

レベルズ氏は、ここまでの実装で複数のAIモデルを使っていることが見て取れるが、その中でもGrokというAIモデルをかなり使っていることが分かる。

Grokはイーロン・マスクが経営するxAIという会社の開発するAIモデルで、Xにも搭載されている。

Grokを使っていることがイーロン・マスクの引用リツイートにつながっていると考えて間違いないだろう。

レベルズ氏がイーロン・マスクからの援護射撃を見越してGrokを使い込んでいたのであれば、かなりの策士だ。

このイーロン・マスクのリツイートに対して、レベルズ氏は「イーロンのためにゲーム内に火星を追加したよー」と返答している👇️さすがだ。

さて、大人数同時接続が可能になったのはいいものの、あまりにも多くのユーザーが同時接続することにより度々サーバーがダウンしてしまう状況が続く👇️

この問題を解決しながら、なんとかユーザー数の増加に耐えてなんと最大同時接続人数をスケールさせていく。

この際にもユーザーのアドバイスを取り入れることを忘れない。



💰️ゲーム内広告とユーザー課金によるマネタイズ

さて、ここまでの一連の流れで大量のユーザーが集まってきた。ここから彼がどのようにマネタイズをしていったのか見ていこう!

マネタイズのアプローチは大きく分けて2つ。

  • 企業向けに広告枠の販売
  • ユーザー向けにアップグレード機体の販売

まず彼は自分の大ヒットプロダクトである「PhotoAI」のドメインが付いた小さな飛行機を飛ばす👇️

最初から広告宣伝枠を売るのではなく、自分のプロダクトの宣伝からはじめて、徐々に他社に枠を売っていくのはかなりスマートなアプローチ。

彼は、よくありがちなバナー広告ではなく、ゲーム内に直接、飛行船やバルーンを飛ばして、そこに広告を入れるアプローチを提案。

その際にも、ユーザーにいくらなら払う?どんな広告がいいかな?など問いかけて広告枠の販売に踏み切っている。天才的だ。

続いて、ユーザーに対して、速くて強い機体を29.99ドルで販売しはじめる👇️

ゲーム課金の常套手段。

こうして、マネタイズをはじめてから1日の収益や実績が以下👇️

  • 9機の有料機体が売れて270ドル
  • バルーンの広告枠が売れて1000ドル

たった1日で1270ドルの収益を生み出した。

さらに、最大で26000機もの機体が同時接続したというから驚きだ。



🎯定期的に収益やユーザー数などの実績を公開しながら機能追加し広告費を上げていく

ここからは、ひたすらユーザーの要望を聞いて機能を追加してTweetをすることでモメンタムを切らすことなくユーザー数と収益を増やしていった。

ミニマップを実装したり、ジョイスティックに対応したり、リーダーボードを実装したり、戦車を実装したり、ライブチャットができるようにしたり・・・

そんな中、収益はどんどん伸びていく。ローンチから9日目での収益が以下👇️

12個の機体と17個の広告枠が売れて、合計で17360ドル(約250万円)もの収益を生み出している。

爆発力がスゴすぎる。

そして、広告枠は今まで1000ドルで売っていたがかなり人気なので、ここから2500ドルに引き上げている。

翌日にはさらに多くの広告主が集まり収益は38000ドル(約550万円)を突破👇️

レベルズ氏はしっかり話題を作りながら、多くのユーザーを巻き込みつつ、スポンサーの広告費を徐々に上げていく。

最終的には、超有名AIプロダクト生成ツールのBoltやITとは関係ないWarner Music Groupもスポンサーに加入し、収益は87000ドル(約1300万円)を突破。年100万ドル(約1.5億円)のペースだ👇️

ローンチしたのが、2月22日なので、なんとローンチから20日ほどでここまでの収益に到達していることになる。

スゴすぎる。

しかも、この間レベルズ氏は彼女とスイスとフランスに旅行に来ていたという。そんな旅行の合間にAIを使ってコーディングをしてここまでのプロダクトを作ってしまうのだからバケモンだ。

現在は当時ほどの勢いはなくなったことで、一部の広告主が離れ15kドル(220万円ほど)に落ち着いているが、それでも物凄い収益である。



📝まとめ

元々多くのフォロワーがいるからこその結果ではあると思うが、やはりローンチしてからのユーザーの巻き込み方や全てを公開する姿勢やマネタイズの方法などが天才的だと思う。

最初にローンチするプロダクトの完成度はそれほど重要ではなく、いかに早く必要最低限の機能をローンチするべきかが分かる典型例と言えるだろう。

「AIで3時間でゲームを作っちゃった」という謳い文句で話題をかっさらい、シンプルなフライト・ゲームをローンチ。

そしてユーザーの要望やアドバイスを聞きながら機能拡充していった。ここまで見てきた通り、ユーザーの巻き込み方とモメンタムの生み方が天才的だと思う。上手くいかないことやバグも全て公開しよう。

会員登録も不要でブラウザからワンクリックで始められる手軽さもバイラルを生んだ要因だと思う。

多くの人が最初から完成度の高いものを作ろうとしてしまうが、完成度を高めるのは後でも大丈夫。まずは素早くローンチすることが大事。

レベルズ氏もたくさん作って公開している中で、たまたまこのフライト・ゲームに対するユーザー反応がよかったので、注力する形で進めているのだ。

数撃ちゃ当たる戦法で行こう。

ちなみにこのピーター・レベルズのゲーム開発が口火を切り、多くの開発者がAIを使ったゲーム開発に取り組むことになる。

そしてそれらをまとめたサイトまで登場した。以下のサイトからAIで生成された様々なゲームを確認できる。

・Discover Vibe Coded Games

さすがにピーター・レベルズほどの収益を生み出すまでは至らないが、こんな感じで誰でも簡単にAIでゲームが作れるようになったのは感慨深い。

とりあえず作って公開してみよう!




ということで今回は「Pieter Levels(ピーター・レベルズ)」氏にフォーカスしてきました。

このニュースレターは毎週月曜日の朝7時にお届けしています。見逃したくない場合は、ぜひ購読してください!ご購読お待ちしてます!

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それではまた来週月曜日に会いましょう!

参考文献

https://x.com/levelsio

https://decrypt.co/307892/ai-gaming-massive-elon-musk-shares-game

https://generativeai.pub/how-pieter-levels-built-a-100k-mrr-flight-simulator-with-ai-be91290419bb