こんにちは、ウマたんです。
海外個人開発者にフォーカスするこのニュースレター。
今回紹介するのは「Daniel Nguyen(ダニエル・グエン)」氏!
AI系のツールである「Bolt AI」を開発して月15kドルほど稼ぐ男。
色んな失敗を経ながら、ここ最近になってMacOSに生成系AIを搭載するプロダクトを開発し大きく収益を稼ぐようになった。
そんな彼にフォーカスして見ていこう!
彼の父親はIT系の教師。そんな父親の影響で彼は幼少期からプログラミングに触れることになる。
彼はベトナム出身であり、ベトナムはかなりIT人材が多い。
そんなベトナムの王道エリートコースは、理系で優秀な大学に入り大手のIT企業にエンジニアとして就職するというもの。
彼は、ベトナムで一番優秀と言っても過言ではない「ハノイ工科大学」に入学した、めちゃくちゃなエリート。
僕自身、去年ベトナムを視察しに行って色んなベトナム人起業家と出会ったが、全員ハノイ工科大学出身者だった。
ハノイ工科大学出身者の技術者はすば抜けて優秀で、どの企業にも引く手あまたなのだ。
彼はそんなハノイ工科大学に在籍しながらオープンソースのプラグインを販売し、はじめてオンラインで収益を得ることに成功した。
大学時代からちゃんと個人で開発をして収益をあげているのは素晴らしい。
さて、まさに絵に描いたようなエリートコースを歩みはじめたかに見えた彼だったが大学を中退してしまう。
このままエリートの道を歩むよりも自分でビジネスをやりたい!と思った彼は、中退してWordPressのコンサルティングサービスを提供するオンラインビジネスを始める。
そして、このビジネスは年間売上10万ドルほどまで成長することになる。
ベトナムの平均収入から考えると大きな成功と言えるだろう。
しかしコンサルティングは結局労働集約型で限界がある。
このビジネスに限界を感じた彼は、ビジネスをシャットダウンしてスタートアップ企業にエンジニアとして参画することにする。
彼のLinkedinでの経歴を見ると、シリコンバレーやシドニー、カリフォルニアにあるスタートアップでエンジニアとして働いた経験を持っている。
輝かしいキャリアだ。
ここまででエンジニアとしてのキャリアを積み上げてきた彼だったが、改めて個人でプロダクトを作って収益を得るインディーハッキングの世界に興味を持つようになる。これが2022年頃。
彼は既に大学時代に自分でプラグインを販売し、インディーハッキングの世界に足を踏み入れてはいたが、趣味の域を出てはいなかった。
ここから本格的に収益を上げようと試みるのである。
実は彼はこれまでの過程で他にもいくつかプロダクトを作っている。
例えばWordPressのテーマとプラグイン。彼自身、長い間WordPressのコンサルティングをしていたのでWordPressのテーマとプラグインの販売なら上手くいくかもと思ったが、そう簡単ではなかった。
コンサルティングと製品の販売では、まったく異なるスキルが必要だった。
他にも、StatusBoardという稼働時間監視のSaaSを作った。
彼のネットワークから数人の顧客を得たが、それ以上顧客を増やすことはできなかった。
プロモーションに時間を注がなかったため、思ったように顧客を増やすことができなかったのである。
このようにいくつかのプロダクトをサイドビジネスとして立ち上げるも結局上手くいかなかった。
であればちゃんと本腰を入れよう!ということで本業をやめてインディーハッキングにフォーカスすることにする。
当時、ピーターレベルズ、トニー・ディン、デーモン・チェンなどの成功している開発者に影響を受けたらしい。
たった1人で様々なAIプロダクトを開発して年間3億円稼ぐ起業家「Pieter Levels(ピーター・レベルズ)」氏 |
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会社を辞めて2年で毎月600万円稼ぐベトナム出身開発者のTony Dinh(トニー・ディン)氏 |
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🚀複数のプロダクトで月2000万円ほど稼ぐ開発者Damon Chen(デーモン・チェン)氏 |
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そして彼が独立してはじめて作ったのがKToolというサービス。
ブログ記事やニュースレターなどネット上の色んなコンテンツをKindleに送ってそこで確認できる。
ニッチだが、なかなか面白いプロダクト。
結果的にこのプロダクトで月1kドルまでは到達できたが、自分の生活を支えるには心もとなかった。
正直月に1kドルも稼げればかなり成功の部類だと思うが、個人開発だけで生きていこうとするならまだまだ厳しい水準。
この時点で彼のもとには残り1年間分の貯金しかなく、貯金が尽きたらフリーランスに戻らなくてはいけない。
そこで彼はフリーランスに戻る場合を考えて、最近の生成系AIについて学んでおくことにする。
しかし、この何気ない「フリーランスになる準備のために生成系AIについて学ぶ」という行動がプロダクト開発に活きることになるのだ。
当時、彼は生成系AIについて学ぶ過程で、生成系AIツールと自分の普段使っているNoteアプリケーションなどを行ったり来たりすることに煩わしさを感じていた。
MacのどんなアプリケーションからでもChatGPTなどの生成系AIに簡単にアクセスできるようにしたい!
そう考えた彼はなんと様々なAIをMacOSに統合するアプリケーションを構築する。
それがBoltAI。
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