こんにちは、ウマたんです。
海外個人開発者にフォーカスするこのニュースレター。
今回紹介するのは「John Rush(ジョン・ラッシュ)」氏!
なんと20個以上のプロダクトを開発・運営しながら年間の金額にして2Mドル(3億円)の金額を稼ぐ男。
そんな彼にフォーカスして見ていこう!
これだけ手広くビジネスをやってきて成功している彼なのだから優秀な家系に生まれていい教育を受けてきたのかと思いきやそんなことはない。
なんと彼はトルコの辺鄙な場所にある500人ほどの少数民族の村で生まれたのだ。
村には電気もろくに流れておらず彼が電気を知ったのは8歳の時。
しかし幸運にも彼の父親が村の発明家だった。
彼の父親は色々な便利なものを発明し村の発展に貢献した。そんな父親の姿に影響され、John氏自身も小さい頃から何かを作ることに没頭していたという。
壊れたテレビの部品を見つけてそれを使って物を作り、人々に売った。
ラジオやモーター付きの小さな車のような物を作った。
そして、時は流れJohn氏が13歳の時、彼はコンピュータと出会うことになる。
彼の父親は彼の仕事の見返りにコンピュータを買い与えてあげたのだ。
それからJohn氏の人生の中心はコンピュータになった。ひたすらコンピュータをいじってプログラミングをする日々を過ごしたそう。
けっして裕福な生活ではなかったが、彼は幼少期の特別な環境の中でモノづくりの楽しさとプログラミング技術そして起業家精神を育んでいったのだ。
これまで取り上げてきた個人開発者と比較してもかなり特殊な出で立ちであることが分かる。
さて、彼は成長するにつれて徐々に村の閉鎖的な環境に嫌気がさすようになっていた。
自分のやりたいことが思うようにできない。
そこで彼は一か八か海外の大学に応募することにする。
その結果なんと彼はノルウェーの大学のコンピューターサイエンスの学部に入学することになったのだ。
ヨーロッパは教育環境が整っており、大学の授業料は安価もしくは無料であることが多い。
その中でも特に北欧は学生に対する教育環境が非常に整っている。ノルウェーは国籍問わず公立大学であれば学費は全て無料で、生活費をまかなうための奨学金制度も整っている。
彼のような裕福な環境の出自でない人にも等しい環境を提供してくれるのがヨーロッパの大学なのだ。
そうして無事ノルウェーの大学に入学した彼は狂ったように勉学にのめり込むことになる。
彼はもともと幼少期からコンピュータに触れていてプログラミングもそこそこでき、かつ大学の勉学にものめり込んでいたため、他の学生から課題を手伝ってほしいという依頼をうけることが多かった。
そのうち彼は、「これはいいビジネスになるのではないか?」と思うようになる。
そうして、学生が他の学生に課題を教えてその対価としてお金をもらうようなマッチングプラットフォーム「Rush Studio」を開発することになる。
最初は彼自身が他の学生に課題を教えるのみだったが、徐々に優秀な学生をチューターとして雇うことで自分の稼働を減らしていった。
最終的に他の大学へもこのプラットフォームを展開し、1週間で教授の年収くらいの金額を稼げるようになったという。
学生でここまでの成功を手にしているのはスゴすぎる。
しかし彼のこのプラットフォームは本来の学業の趣旨に反している。多くの学生が一部の優秀な学生に頼り切って課題をやってもらい、自分で勉強するのを放棄してしまう。Rush Studioはそれを助長するプラットフォームになっていたのだ。
いうなればカンニングを積極的に推奨するプラットフォームになってしまっていた。
そこで彼はこのビジネスを最終的に売却することにした。
売却してまとまった資金を手に入れることに成功した彼は、スタートアップの世界に飛び込むことにする。
当時彼はまだ大学を卒業していなかったが、ノルウェーが国初のスタートアップインキュベーター「Startup Lab」を設立するという噂を聞き、飛び込むことにした。
大学を辞めて100%のリソースをスタートアップに注ぎ込むことにしたのだ。なんという精神力と挑戦だろう。
こうして彼は複数のスタートアップを立ち上げて猛烈に忙しい日々を送ることになる。
しかし、彼はVCの考えと対立することが多かった。彼自身は大学時代に自己資金でビジネスをスケールさせてきたことから、むやみに赤字を掘って利益を先送りにすることに懐疑的だった。
一方でVCは目先の利益よりも将来の大きい果実を目指すことが多かった。VCにとっては100社に1社がユニコーンになればよいのだ。
彼は、その対立の中で自分が関わる多くのスタートアップが破産していくのを見守ることになる。
時には大学時代に稼いだ自己資金を投入し3年間全員の給料を払うこともあったという。
しかし彼の奮闘もむなしく彼の関わるスタートアップが果実になることはなかった。
2011年から2017年の7年もの間、週100時間をスタートアップに注ぎプライベートを犠牲しながら奮闘してきたのにも関わらず、どのスタートアップも実ることはなかったのだ。
ここまでの経験で常人なら燃え尽きてしまいそうな気がするが、彼は全く燃え尽きていなかった。
これまでの経験から新しいプロダクトを開発する。
それがMarsXというプロダクトだ。
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