【週刊】AI時代に月100万円以上稼ぐ海外個人開発者を毎週1人ピックアップして秘密を深堀り！

👩‍❤️‍👨たった4ヶ月で年1.5億円も収益を成長させた開発者とマーケターカップルのストーリー

根っからの開発者のFilip氏と根っからのマーケターのMarie氏のカップルコンビがプロダクトをものすごい勢いで成長させている

ウマたん

2025/09/01

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こんにちは、ウマたんです。　

このAI時代にめちゃくちゃ稼いでる海外開発者にフォーカスするこのニュースレター。

今回紹介するのは「Filip Minev（フィリップ・ミネヴ）& Marie Martens（マリー・マルテンス）」氏！

（引用：https://x.com/FilipMinev）

（引用：https://x.com/MarieMartens）

コロナ禍にカップルで起業して自己資金だけでプロダクトを着実に成長させ5年かけて年4.5億円の収益まで成長させてきた。根っからの開発者と根っからのマーケターカップルコンビの相性は抜群。

なんと直近だけ見ると、たった4ヶ月でARRにして1.5億円ものグロースに成長させているのだ。

彼らのプロダクトに真摯に向き合う姿勢やグロースのさせ方はめちゃくちゃ参考になる。

そんな彼らのストーリーにフォーカスして見ていこう！

🌃色んなプロダクトを開発するも、なかなか上手くいかない日々

物語はFilip氏の開発者としての挑戦から始まる。

2010年にブルガリアの大学のコンピューターサイエンス学部を卒業したFilip氏はベルギーにある「ヨーロッパ版Facebook」を作っていたスタートアップに飛び込む。

そこで3年間刺激的な日々を過ごしたFilip氏は「自分でプロダクトを立ち上げたい！」という思いからベルギーの会社を後にし、個人開発の世界へ。

一旦生活費を抑えるためにモロッコに拠点を移しプロダクト作りを始める。

そこでStrudoというGoogleフォトのような写真共有アプリを作る。

しかし、当時まだまだ経験の浅かった彼は最初のローンチまで6ヶ月もの時間を費やしてしまった。

彼は「良いものを作れば売れるだろう」という開発者にありがちな罠に陥っていたのだ。結局ローンチからしばらく経ってもほとんど使われず収益は0のままだった。

結局、彼は個人開発を諦め通常の仕事に戻る。

しかし、彼の個人開発への情熱は消えることはなかった。フルタイムの仕事をこなしながら、週末の時間を使ってプロダクトを作ることを決意。

そしてたどり着いたアイデアが投票ツール「Tally Posts」。

今度は前回の二の舞いにならないように、シンプルな機能だけを高速でたった2日間で開発。

Tally Postsはそこそこ多くの人の目にとまったが、継続的にグロースさせる方法やマネタイズの方法が分からずゆっくりと衰退していってしまった。

さて、そこから3年間彼はスタートアップでフルタイムで働き続けた。

そして、ときは2017年。仮想通貨バブルが訪れる。その波に乗って彼は仮想通貨投資をはじめる。

しかし、そんな中、彼は仮想通貨ポートフォリオを管理する良いアプリがないことに気付く。

スタートアップの同僚たちとその課題について話し、「自分たちだったらもっと良いものが作れるはず！」という結論に至る。

こうして生まれたのがDeltaという仮想通貨ポートフォリオトラッキングアプリ。

このアプリは仮想通貨の波に乗り大きくヒット。収益は累計で50万ドルに到達。

しかし、ここである問題が起きる。

当時スタートアップの同僚と一緒に立ち上げたこのプロダクトだったが、共同創業者が6人もいた。

収益が上がっている時はよいが、仮想通貨バブルがはじけ市況が悪くなると一気に亀裂が入った。

今後の方針について意見が分かれ全く前に進まない。結果的に彼らはプロダクトを売却することにする。

プロダクト自体の筋はよかったが、共同創業者が多すぎた。

ここで彼は、スモールチームで戦うことの大事さを学ぶ。

✈️旅行プラットフォームはコロナによって失敗

さて、実は2017年にFilip氏が仮想通貨アプリに取り組んでいた時、彼は運命的な出会いを果たしていた。

将来の妻であるMarie氏との出会いである。

Marie氏はデジタルプロダクトを受託開発するスタジオでマーケティングマネージャーとして敏腕を振るっていた。

Filip氏は根っからの開発者。非常に良い組み合わせである。

彼らはすぐに意気投合し付き合うことになる。彼らの趣味は旅行。仕事の合間を縫って定期的に海外で過ごす日々を過ごしていた。

そんな日々を過ごす中、彼らはいつか二人でプロダクトを作り、世界中をノマドとして旅しながら暮らしたいと考えていた。

そんなある日、メキシコ旅行中にひょんなことから旅行系インフルエンサーとホテルをコラボレーションさせるプラットフォームを構築するアイデアを思いつく。

まだ世界中がパンデミックで恐怖に覆われる前夜、2019年末のことである。

とにかくスピード第一ということで、ランディングページを構築し、Googleフォームで提携してくれるホテルの情報を集めた。

すると、みるみる間に興味を持ってくれるホテルが集まり、100件を超えた。

そして、なんとそのほとんどがアジアのホテルだったのだ。

「これはアジアに行って挑戦するしかない！」

ということで思い切ってMarieは会社を辞め2人揃ってバンコクに向かう。

しかし、その直後あのパンデミックが発生。彼らは異国の地でロックダウンにあうことに。

その状況の中、どうしようもなく地元ベルギーへ帰国。なんとかパンデミックをやり過ごしながらプロダクト開発と顧客獲得に奔走する。

しかし、パンデミックは一向に収まる気配がない。

当時Covid-19はベルギーにも大きな打撃を与え、病院は逼迫していた。そこで彼らは募金活動を行い、医療従事者の方々に無料のホテル宿泊を提供することにした。しかし、ホテルと医療従事者が登録するための適切なフォームを見つけるのに苦労したという。

Googleフォームは機能的には優れているものの、見た目があまり良くなく、Typeform、Jotform、Formstackといった既存のフォームツールはすぐに有料会員になってしまうため、初期段階のスタートアップにとっては非常に高額になる。

さて、既にこの時点で最初のアイデアとして立ち上げた旅行マッチングプラットフォームの顧客の半数を失っていた。

そして、パンデミックが終わる気配はない。

苦渋の決断だが、彼らはビジネスを方向転換することにした。

僕自身、2020年初頭に東京オリンピックを見越して民泊に参入し直後にパンデミックが起きて大変な思いをしたのでめちゃくちゃこの気持ちが分かる。

もうこの時期は色んな事業者が生き残るのに必死で、先の見えない暗闇の中を必死にもがいていたと思う。

🗒️フォームツールにピボット

さて、彼らが次なるビジネスとして選んだのはフォームツール。

このツールは前述した彼ら自身の課題から来ている。

旅行プラットフォームを立ち上げる時に提携先を集めるのにフォームを用いたり、パンデミック中に医療従事者の受け入れ先を集めるのにフォームを用いたりしたが、既存のフォームは自由度が低かったり、高額だったりした。

そこで彼らは、シンプルだが強力なフォームツールを作ったのである。

こうして2020年9月にローンチしたのが「Tally」というプロダクト。

Filip氏が過去にローンチしたTally Postsから取った名前だ。

NotionのようなUIでめちゃくちゃ使いやすいフォーム作成ツール。

価格設定もシンプルで最初は月29ドルのプランのみ。現在は月29ドルと月89ドルのプランが存在する。

しかし、フォームツールは無料のGoogleフォームをはじめとして世の中にたくさんある。まさにレッドオーシャン領域だ。

そんな領域で彼らはどうやってプロダクトを4.5億円まで成長させてきたのか？その軌跡を見ていこう！

💦ドブ板営業で地道にユーザーを集める日々

彼らは、2020年8月、正式ローンチの前にMVPを作り友人や家族だけに公開した。

当時のMVPはフォームビルダーの非常に基本的なバージョンで、質問を挿入できるだけで、フォームを公開することすらできなかったという。

さて、友人や家族のフィードバックを取り入れ改善した後、2020年9月に正式ローンチ。

最初はとりあえずドブ板営業をしまくったという。

Product Huntで類似製品に反応しているユーザーやX（旧Twitter）で類似製品について言及しているユーザーを集めて数百人にのぼる見込み客のリストを作成。

そして、彼らにひたすら営業メールを送りまくった。

また、Slackのグループなどの関連コミュニティに入り、さりげなくTallyを紹介したり、Redditなどの掲示板で関連する質問に回答をしたりした。

無視されることがほとんどだったが、やはり量をこなせば少しずつ協力してくれる人が現れる。

そして、この少数の協力者がコミュニティの中心となってTallyを長く愛し宣伝してくれる存在になっていくのだ。

確かにProduct HuntやXで自分のツールの類似製品に反応していたり言及していたりするユーザーにアプローチするのはかなり効果が高そう。

こうして初期ユーザーをベースに徐々にTallyを広げていき、ローンチから2ヶ月後の2020年11月にはSlackコミュニティの人数は400人を突破。

しかし、Tallyはほとんどの機能を無料で提供しているので有料顧客はそれほど多くない。当時の収益はまだ月100ドルほど。

さてここからは、彼らがどのようにしてTallyを5年ほどで年4.5億円もの収益に成長させたのか詳しく見ていきたい。

具体的には

プロダクト自体に仕込まれた集客エンジンの存在
効果的なProduct Huntのブースト
LLM検索からの流入

などを起点にプロダクトが着実に成長していくことになる。

彼らのプロダクトの成長過程はめちゃくちゃ参考になる。

ボリューム満点になってしまったのだが、ぜひ見てみて欲しい。

ここから先は有料コンテンツ

🥈Product Huntへの投稿でDaily2位を獲得

さて、彼らはここから新規ユーザーを確保しながらも既存ユーザーのロイヤリティを高めるために

新たな機能追加の告知
これからの開発ロードマップ
収益の推移

などを定期的に公開し続けた。

新たな機能のローンチを告知することは多いと思うが、個人開発でちゃんと「これからの開発ロードマップ」をユーザーに公開している人がいるだろうか？

彼らはしっかりこれからの新機能の見通しを既存ユーザーに公開することでアテンションを集め、時にはユーザーからのフィードバックを取り入れて機能のリリースを変更することでユーザーのロイヤリティを高めていった。

こうしてゆっくりと着実にユーザーベースを拡大し続けているそんな中、大きな転機が訪れたのは2021年3月のこと。

プロダクトローンチサービスである「Product Hunt」にTallyをローンチするのである。

既に当時TallyはSlackに1500人のコミュニティを持っていた。また、他のフォームツールと遜色ないレベルの機能が備わっていた。

「これならイケる！」と確信した彼らは満を持してProduct Huntへ投稿。

なんとDaily2位を獲得する。終了1時間前まで1位だったが、最後の最後で抜かされてしまったという。

Product Huntにはプロダクトをローンチしてすぐに投稿してもあまり効果がないことが多い。

Product Huntではいかに多くのユーザーにプロダクトページに来てもらってUpVote（いいね的なやつ）してもらうかが鍵。

すでに影響力を持っている開発者であれば大丈夫かもしれないが、何の影響力を持っていない人が新しくプロダクトを作ってProduct Huntに投稿したとしても結果はたかが知れている。

そこでプロダクトをローンチした後に、しっかりユーザーを増やしてコミュニティを構築し、満を持してProduct Huntに投稿するという作戦が有効なのだ。

彼らの場合もまさにそのアプローチでしっかり成果をあげている。

Tallyをローンチした2020年9月にProduct Huntに投稿してもここまでの結果は得ることはできなかっただろう。

彼らはProduct Huntに投稿する上でのチェックリストを公開しており、参考になる。

Product Huntの効果はめちゃくちゃスゴイ。半年以上かけて集めてきた1500人というユーザーベースがたった1日で2倍の3000人になった。

🎯無料ユーザーのバッジを使った成長エンジン

そしてProduct Huntで勢いづいたTallyはその1ヶ月後の2021年4月に収益がとうとう月1000ドル（15万円）を超える。

ここまで成長する過程で効果があったのは、主に

最初のドブ板営業
Product Hunt
「made with Tally」というバッジ表示

だったという。

Tallyでは、フリーユーザーが作ったフォームに「Made with Tally」というバッジが表示される仕様になっている。

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このフリーユーザーにバッジを表示する戦法は先週紹介したWilson氏も使っており、プロダクト自体が他のユーザーを連れてきてくれるエンジンになるのでめちゃくちゃ強い。

他の文言も試したが、一番「Made with Tally」のバージョンの効果が高かったとのこと。

さりげなく、細かい文言のチューニングまでやってるのがスゴイ。

これも開発者単体じゃなくてマーケターのMarie氏がいたからこそ出来たことだろう。

🚀2022年2月に月1万ドル（150万円）の収益に到達

そして、この勢いはとどまらず、ローンチから約1.5年後の2022年2月には月の収益が1万ドルに到達した。

この時点でユーザー数は2万人になっていた。

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グラフを見ると、キレイに着々と成長していることが分かる。

最初の1000ドルまでは、ドブ板営業やProduct Huntでのブーストで達成させたが、それ以降はプロダクトそのものにフォーカスすることで着実に成長させてきた。

月1万ドルへの到達において彼らがやったことはシンプル。

ほとんどの機能を無料で提供
複雑な機能は導入しない。シンプルさにとことんこだわる
顧客の声を徹底的に聞く

当たり前のように感じるが、これを徹底したことが彼らの成功要因だ。

ほとんどの機能を無料で提供

彼らは、99%以上の機能を完全無料で提供した。そして結果的に「無料であること」こそが最大のマーケティングチャネルになった。

無料であること自体が以下のように集客・成長エンジンになる。

無料で提供することで利用ハードルが下がり、口コミが広がる。
無料ユーザーのフォームには「Made with Tally」のバッジが表示され、ユーザー自身が最大の宣伝者・リード獲得源となる。
無料ユーザーの約3%が「Tally Pro」にアップグレードし、それが収益源となる。
無料ユーザーが増えるほどMRRも加速的に成長する。

無料ユーザーが増えて使ってくれること自体が集客エンジンになっているので、彼らは徹底的に顧客の声を聞くこと、そしてプロダクトの改善に集中することができた。

シンプルさにとことんこだわる

さらに彼らは、「誰でも使いやすいシンプルな状態」を保つことを最優先にして新機能を追加してきたという。

何でもかんでもユーザーの声を聞いて機能追加していては、誰のものでもないよく分からないプロダクトになりかねない。

そこで彼らは使いやすさを第一優先に据えて機能追加を考えているのだ。

実際にTallyを使ってみると、本当にユーザーの心地よい体験を考えているのだなと感じる。

Tallyではフォームを作るのにログインすらも必要ない。とりあえずランディングページの「Create a free form」ボタンを押すと、それだけでフォームを作り始められる。

そして、フォームを作ってそれを公開しようとするとログインが必要になる設計だ。

フォームを作る体験をいかに快適にするかが考えられている。

顧客の声を徹底的に聞く

そして、当時彼らはカスタマーサポートにめちゃくちゃな時間をかけていた。リソースの50%をカスタマーサポートにかけていたというから驚きだ。

Slackのコミュニティにて技術的な質問を受け付けて極力1時間以内に返す
Email、Facebook、Twitterなどで定常的に来る問い合わせをさばく
機能リクエストはTallyフォームで受け付け

ほとんどのユーザーが無料でたくさんいるのでかなりの工数がかかっていたとのこと。

しかし、この対応を時間をかけて自分たちで行うことによりプロダクトの改善点や分かりにくいところが見えて、より良いプロダクト作りにつながった。

またよくある質問は、ヘルプセンターに投入しユーザーが自分自身で解決しやすくなるようにした。チュートリアルもユーザーのフィードバックを元に改善。

この、ユーザーに向き合う姿勢がプロダクトを大きく伸ばすことに繋がった。

無料ユーザー自体が集客エンジンだからこそ、ここまで無料ユーザーの声に寄り添えることができたのだろう。

💰️月10万ドル（1500万円）までの道のり

さて、月1万ドルを達成してから、さらに約2年経った2024年3月にとうとう月10万ドルを達成することになる。

しっかり着実に伸びていて本当にスゴイ。

SaaSプロダクトの理想の伸ばし方と言えるだろう。

SaaSプロダクトは大体、一定程度伸ばすとある程度MRR（月収益）が頭打ちになってしまうことが多い。

「新しい顧客の集客数」と「既存顧客の解約数」が均衡したところが頭打ちポイントだ。

仮に月100人の新規顧客が継続的に集めることができたとしても、解約率が10%なのであればユーザーが1000人の時点で新規顧客と解約顧客が均衡してしまい頭打ちとなる。

だからこそ、解約率をいかに下げるかが大事になってくる。解約率が5%に下がれば同じ集客ペースでも2000人のユーザーベースまで成長させることができる。

そのような構造の中、Tallyがここまで順調に伸ばしているのはスゴイ。

それも既存顧客にしっかり寄り添いプロダクトを改善してきた結果だろう。具体的な解約率は公開されていないが、相当低いはず。

また新規顧客獲得に関してもユーザーを増やせば増やすほど集客数が増えるプロダクト主導の集客エンジンを持っているのがデカい。

彼らは月1万ドルから月10万ドルまで伸ばす過程で、新たにTallyに多くの機能を追加しロゴを刷新しTally2.0としてローンチ。

なんとProduct Huntでは、デイリー・ウィークリー・マンスリーで1位を獲得したという。

Product Huntは1回ローンチして終わりではなく、何回も機能追加してローンチするのが肝である。

また、ユーザー数が10万人を超えさすがに創業者2人だけで顧客対応はできなくなり、このタイミングで顧客対応専門メンバーを雇っている。

💃2025年2月には月17.5万ドルへ

そして月10万ドルに到達してから約1年で月17.5万ドルの収益へ成長。年2Mドル（3億円）の収益だ。

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ここまでキレイに伸びているとマジで気持ち良いだろう。

10万ドルから17.5万ドルまで成長させる過程で彼らは、インフルエンサーマーケティングや紹介プログラムや有料広告など新たな施策を試している。

しかし、依然として集客エンジンは無料ユーザーのバッジだという。

また、この間に変わったのは、機能拡充の優先度。

これまでは無料ユーザーが使える機能を拡充させることに注力してきたが、このタイミングで有料機能の拡充を優先的に行い始めた。

これにより無料ユーザーから有料ユーザーに転換する割合が増えた。

最初から有料転換を促すために有料ユーザーの機能を拡充するのではなく、集客エンジンになる無料ユーザーを増やすためにとにかく無料ユーザーが使える機能を増やしてきたのは素晴らしい戦略だと思う。

☄️2025年6月には月26万ドルの収益に成長

ここまで収益が伸びているとそろそろ鈍化してもおかしくないが、なんとここからTallyはさらなる急成長を遂げる。

なんと年2Mドル（3億円）の収益を達成してからたった4ヶ月ほどで年3Mドル（4.5億円）の収益に到達するのだ👇️ユーザー数はなんと80万人を超えた。

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なぜこのタイミングで、ここまで急成長することができたのか？

それはLLM検索からの流入増加だという。

これまでTallyの主なトラフィックは無料ユーザーのバッジや自然検索だった。

しかし、ここにきてAI検索からのトラフィックが一番多くなったという。

これは、

GPT-4oにデフォルトWeb検索機能が搭載され、そもそもLLMからレコメンドされる絶対量が増えたこと。
さらにLLMのレコメンドの精度が向上し細かいプロンプトに対してよりニッチなツールをレコメンドできるようになったこと

が理由と考えられるという。

これにより「シンプルで使いやすいフォームツール」などとユーザーがプロンプトを入れるとTallyがレコメンドされるようになった。

確かにGoogle検索ではなくLLMを使うケースはめちゃくちゃ増えたが、プロダクトグロースの観点でもLLMからの流入をちゃんと視野に入れた設計を考えなくてはいけないのだなと、改めて実感させられた。

しかし、彼らは特にLLM対策をしていたわけではなく、とにかくReddit・ブログ・UGCに投資してきた地道な活動が実を結んだ結果だという。

こうして、彼らは5年という月日を経て着実にプロダクトを成長させ完全自己資金で年3Mドル（4.5億円）をも生み出すことに成功したのである。

📝まとめ

ということでFilip氏とMarie氏のストーリーについて見てきた。

彼らの成功要因をまとめると、以下のようになるだろう👇️

大胆なフリーミアムモデル
- 無制限のフォーム・回答を無料で提供
- 99%の機能も無料で使える → 参入障壁を限りなく低くした
- 無料フォームに表示される「Made with Tally」バッジが自然な広告となり、口コミを加速
シンプルさの徹底
- 「マークダウンで直感的に入力できるUI」を実現
- 機能追加時も「複雑化しない」ことを最優先
創業者自らサポート
- Slack・メール・Twitter DMなどで1日以内に返信
透明性と公開開発
- Indie Hackers・Twitter・Redditなどで「開発過程や収益」を積極的に共有
- 成功も失敗も発信 → 共感と信頼を得てファンコミュニティを育成
AI検索の追い風（2025年）
- ChatGPTやGPT-4oのWeb検索機能から新規ユーザーが流入
- Redditやブログに継続的に露出していた努力が成果につながった