めちゃくちゃ稼いでいるsolopreneur(1人起業家)にフォーカスするこのニュースレター。

今回フォーカスしたいのはこの人「Arvid Kahl（アービット・カール）」氏！

ドイツ出身のソフトウェアエンジニアでSaaSプロダクトを作って2年で売却。そんでもって、今は起業家（特にVCから資金調達せず自己資金でプロダクト作って稼ぐ人）向けのコミュニティ「

そんな彼のキャリアや作ってきたプロダクトにフォーカスして見ていこう！

このニュースレターで今まで紹介してきた人はかなり若い人が多く大学卒業後まもなくしてプロダクト作りに励んでいる人が多かったがArvidは比較的長い会社員生活をしてからプロダクト作りをして独立をしている。

彼はおそらく1985年生まれで現在38歳。

2008年に大学を卒業し、そこから2018年まで様々な企業でソフトウェアエンジニアとして働いてきた（途中で会社を創業してCTOに付いているが結局会社員に戻っている）。

そんな彼に転機が訪れたのが2017年(32歳)だった。

彼女の課題を解決するためのSaaSプロダクトを作る

Arvitには当時付き合っている彼女Danielleがいた。

彼女はオンラインで中国の子どもたちに英語を教える仕事をしており、仕事自体には満足していたが、不満があった。

授業の後に生徒に関するフィードバックを生徒の親に送らなくてはいけないのだ。しかし、お金が発生するのは授業の時間に対してで、このフィードバックには時給が発生しない仕組みになっていた。

なんと、その作業のために毎日2時間もの時間を費やしていたのだ。しかもほとんどが毎回同じようなフィードバックで単調作業だったらしい。

塾講師のアルバイトで時給が意外とよいかと思いきや準備時間とか添削時間で多くの時間が取られて実質時給は低いみたいな課題があるのと同じ現象だ。

彼女はなんとかスプレッドシートやドキュメントを使って管理していたが、毎日の作業にうんざりしていた。

そんな作業をより効率的にしてあげようとArvitはフルタイムの会社員生活の傍らでSaaSプロダクトを作り始めた。それがFeedbackPandaだ。

なんて素敵なサービス誕生秘話だろう。ちなみにあのZoomも遠く離れた彼女といつでもビデオ通話をしたいという素敵な理由から作られたプロダクトだ。

リリースから1年で25kドル(350万円)/ 月ほどの売上になり会社員を辞める

プロダクト・サービスを作る時に、一番大事なのが顧客の声をしっかり聞くこと・顧客のインサイトに刺さるベネフィットを提供すること。と言われるがなかなかそれが出来ず独りよがりのアイデアでプロダクト・サービスを作ってしまうことが多い。

その点でFeedbackPandaは、Arvidの彼女自身が顧客であるので顧客のニーズにぶち刺さるプロダクトを最初から開発することが出来た。

そして彼女自身が同じプラットフォームを使う仲間とのつながりを持っていたので潜在顧客を見つけてプロダクトを売るのは比較的簡単だった。

SaaSプロダクトをグロースさせるうえでは解約率（チャーンレート）というのが非常に重要で、いくらユーザーが契約したとしてもすぐ解約してしまうプロダクトはなかなかスケールしない。

その点でFeedbackPandaは毎月の解約率が1%という驚異的な低さで、ほとんどの解約理由は英語教師をやめてしまうからという理由だった。

つまりサービス自体に対する満足度で解約する人はほとんどいない状態。

顧客のニーズにぶち刺さったFeedbackPandaは、一気にスケールして1年後には25kドル(350万円)/月を突破する。

Arvidはその時点で会社員を辞めてプロダクト作りにフォーカスすることにした。組織としてはArvidの彼女であるDanielleがCEOでArvidがCTOという形。

正式な従業員は誰も雇わず二人だけでサービス開発・運営を進めた。

さらに1年後に55kドル/月を超えて売却

会社員を辞めてプロダクトにフォーカスし始めて1年後にFeedbackPandaはなんと55kドル（800万円）/月に達する。

そしてそのタイミングで売却してしまうのだ。

具体的な金額は公表されていないが、これからの人生に困らないくらいのお金という風に表現されていたのでだいぶまとまったお金を手に入れることができたのだろう。

実はFeedbackPandaは2023年1月にサービスの運営が停止してしまっている。サービス停止の具体的な理由はわからないが、彼らが非常に良いタイミングで売却したということが分かる。

顧客に満足されていたとは言え、大元となる英語教師プラットフォーム自体がそのような機能を実装してしまったり、仕様が変わったりすると、一気にFeedbackPanda自体も影響を受けることが分かる。

プロダクト・サービスには誰しも愛着を持っているし、成長している途中ではこれからもっと成長するのではないかという期待を持ってしまうものだ。しかし、成長は必ずしもいつまでも続かない。

タイミングを見計らって売却するのも1つの手。

とはいえ、付き合ってるカップルで二人で事業を作って運営してここまで上手くいったのは本当にすごい。

たぶん、最初から儲けようなんて思ってはじめたわけではないからだと思う。彼女の課題を解決したいという気持ちで開発したからこそ上手くいったのだろう。

お金目当てで複数人（ましてやカップルなど関係性の近い人）で創業してもほとんどが失敗するだろう。

Arvidは現在、彼の経験から起業家向けのコミュニティや情報発信をしているので興味のある方はのぞいてみるとよいかも。

ということで今回は「Arvid Kahl」氏にフォーカスしてきました。

個人起業家として活躍する人色々紹介してますので興味のある方はこの機会にぜひご購読を。

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